AWS(Amazon Web Services)とは?
知っておきたい基礎知識やメリット・デメリットを解説!
AWSとは
AWS(Amazon Web Services)とは、Amazonが提供しているクラウドコンピューティングサービスのことです。
クラウドコンピューティングサービスは、クラウド上に展開された、サーバーやストレージ、データベースなどのさまざまなサービスや製品を、インターネットを介して利用できる仕組みです。自らのデバイスにダウンロードして利用するアプリケーションとは異なるものになり、必要なリソースのみを適宜利用します。
AWSは、本来AmazonのECサイトを支えるために構築されたITインフラですが、その有用性から現在はAmazon以外の企業や公的機関など、あらゆるユーザーが利用できるように公開されており、200以上のフル機能のサービスを提供しています。
代表的なクラウドコンピューティングサービスとしては、AWS以外にもGoogleが提供するGCPやMicrosoftが提供するAzureがあり、これらは「3大クラウド」と呼ばれています。その中でもAWSは最も長い歴史を有しており(2006年にサービス公開)、全世界で数百万以上、日本でも数十万もの利用があり、トップシェアを誇ります。
なお、世界3大クラウドそれぞれの特徴や選定ポイントは以下記事でご紹介しています。こちらもあわせてご覧ください。
特徴や料金、シェア率、選定のコツを解説
次章では、AWSを利用することで、具体的にどのようなことができるのかをご紹介します。
AWSによってできること
AWSで提供している機能は、サービス系とプラットフォーム系の2つに分けることができます。
ここではそれぞれの概要について解説します。
サービス系
サービス系の機能としては、サーバー環境構築やデータ保存、コンテンツ配信、データベース利用、専用回線、セキュリティ対策などがあります。
例えば、サーバー環境の構築・運用を実現する代表的なサービスとしては、Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)が挙げられます。AWS上に仮想サーバーを構築でき、スペックの変更も簡単な操作で可能です。アプリケーション開発をする際に必要となる土台であり、オンプレミス環境をクラウドへ移行する際にも利用されています。
また、ストレージサービスとしてはAmazon S3(Simple Storage Service)が代表的です。保存できるデータ容量が無限であることにくわえ、データ消失する心配もほとんどありません。
プラットフォーム系
プラットフォーム系の機能としては、AI活用/データ分析やワークフロー管理、メール/通知、開発などが挙げられます。
例えば、メール送信サービスとしては、クラウドベースのAmazon SES(Simple Email Service)があります。このサービスを利用することで、マーケティングの場面で顧客や取引相手に注文確認など取引メールを送ることができるため、拡張性や可用性も高いといえます。
そのほかにも、サーバーを利用せずにあらかじめ登録したプログラムを実行できるサーバーレスコンピューティングサービスのAWS Lambdaも代表的なサービスです。
続いては、AWSがなぜ世界トップシェアを誇っているのか、その理由や背景についてご紹介します。
AWSのメリット・デメリット
AWSには、メリットとデメリットがそれぞれ存在します。ここでは具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのか解説します。
AWSの3つのメリット
AWSは主に、以下3つの面でのメリットがあります。
① 費用面
AWSは、ハードウェアやソフトウェアの購入が不要であるため、初期費用が抑えられます。資金面で初期投資が難しい個人ユーザーであっても、サービスの利用が可能です。また、従量課金となるため、起動しない時間帯がある場合は、その分のサーバー利用料金が発生しない点も魅力的だといえます。
② セキュリティ面
AWSは、国際的なセキュリティ基準の規格を数多く取得し、アメリカ国防総省の基準にも準拠しています。また、最新かつ第三者機関認証を取得したセキュリティが施されているため、セキュリティに関する知識に不安のあるユーザーでもセキュアな環境で利用可能です。長い歴史があり数多くのユーザーから支持されていることからもわかるように、信頼性も非常に高いといえます。
③ サービス面
サービス面に関しては、AWSではデータベース、ストレージ、機械学習、開発者用ツールなど、サービスの種類が非常に豊富であり、最先端の技術にもとづくサービスを幅広い用途で利用できます。また、ニーズがあればすぐに利用できるため、ビジネススピードの向上に貢献します。
そのほかにも、メモリやストレージ容量などの拡張性が高いこと、ソフトウェアのアップデートなどが不要で管理者の負担が小さいことなどもメリットです。
AWSの3つのデメリット
メリットの一方で、以下3つのようなデメリットも存在します。
① ランニングコスト
従量課金であるため、利用状況によっては毎月のランニングコストが変動しやすく、定額制に比べ高くなるケースもあります。毎月の費用を想定しづらく、予算化のハードルになってしまう点が懸念されます。
② 保守・運用の自由度
自社で自由にカスタマイズできるオンプレミスと比べると、保守・運用の自由度の面で制約があります。自由度の高いサービスや求める企業にとってはデメリットだといえます。
③ 最適なサービスの選択が困難
AWSはサービスの種類が非常に多く、新たなサービスが次々に登場しています。この点はメリットである一方で、数が多すぎてそれぞれの特徴を把握するのに手間がかかり、自社に最適なサービスの選択が難しくなる可能性があります。また、サービスの知識を常にアップデートする必要もあるため注意しなければなりません。
以上のような特徴があるAWSですが、デメリットもあるため、自社に適したクラウド選定をする必要があります。そこで次章では、クラウド選定やアプリ開発を行う際のパートナーについてご紹介します。
多くのクラウドサービスの中でAWSが選ばれる5つの理由とその背景
ここでは、数あるクラウドコンピューティングサービスの中でも、なぜAWSが選ばれているのか、その理由について解説します。
①:初期費用がかからず低価格
AWSは、初期費用なしで利用可能です。
また、従量課金であるため、不要になったサービスは適宜停止でき、データを削除することで課金されなくなる点も特徴であり、柔軟に IT リソースを調達しながら利用できます。
リーズナブルかつ透明性の高い価格体系を実現しているといえます。
②:継続的な値下げ
AWSはサービスの提供規模を拡大し続けているため、スケールメリット(規模の経済)の効果により各種コストの削減が期待できます。実際に、コストを低下した分ユーザーへ還元しており、サービス開始時から129回以上の値下げを実施しています(2022年12月現在)。この点も上記の低価格を実現している理由だといえます。
③:サイジングからの解放
AWSは、必要に応じてすぐにサーバー台数を変更でき、稼働中のサーバーのメモリ・ストレージなどのサイズも変更可能です。そのため、日中と夜間で需要が大きく異なる場合は、時間帯に応じてスペックを変更する、またはサーバーを停止することで利用料を最適化できます。
また、繁忙期に合わせて一時的にサーバーを増強することも可能です。これにより、需要に対するキャパシティの余剰やリソース不足による機会損失を防止できます。
④:ビジネス機会を逃さない俊敏性
オンプレミスの場合、新たなインフラを構築するには非常に多くの工程が発生するため、サービス開始まで時間がかかるのが一般的です。一方で、クラウドのAWSであれば管理者画面やAPI経由の操作により、最短数分で必要なITリソースを確保できます。これにより、ビジネス機会を逃さないスピーディーなシステム構築が可能となります。
さらに、AWSでのシステム構築を行うことでレガシーシステムからの脱却にもつながります。
AWSがレガシーシステムの脱却に寄与する理由については以下で紹介しています。
組織における問題点と脱却する方法について解説!
⑤:サービスの種類が豊富
AWS では、現在200を超えるサービスを提供しており、最先端の技術がいつでも利用でき、更新され続けています。また、多くのコンポーネントをAWSのみで構築できるため、ベンダーとサービス構築についてすり合わせる必要がありません。
このようなことから、豊富な種類かつ最先端の技術のサービスを組み合わせることができ、ITサービスの再開発の手間も省けます。
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