IaaS、PaaSなどクラウド導入が進んだ背景と
導入後に企業が抱える課題とは?

2023年02月17日
通信技術の発展や働き方の多様化などを背景にクラウドサービスを利用する企業が増えています。昨今はアプリケーションやソフトウェアをネットワーク経由で利用するSaaSのほか、自社でアプリケーションの開発を行えるIaaS、PaaSの導入も増えています。一方でクラウド導入には利便性以外に多くの課題もあります。本記事では、クラウド導入後によくある課題や、その解決策をご紹介します。

普及するクラウドサービス・システムの利用

昨今は「クラウドファースト」という言葉も広がりつつあり、企業のクラウドサービス・システムの利用が増加しています。総務省が発表した「令和3年通信利用動向調査報告書」によると、クラウドコンピューティングを全社的に利用している企業の割合は42.7%、一部の利用も含めると70.4%にも上り、令和元年と比べて5.7%上昇しています。

 

出典:総務省「令和3年通信利用動向調査」  

 

また、従来のクラウドサービスは独自にアプリケーションを開発せず、事業者が提供しているSaaS(Software as a Service)を導入するケースがほとんどでしたが、昨今では、アプリケーションやシステムを自社開発できるIaaS/PaaS(Infrastructure/Platform as a Service)の利用も増えてきました。実際に、世界3大クラウド(AWS、Azure、GCP)のPaaS/IaaS利用率は高まっています。

 

世界3大クラウドの概要やそれぞれの特徴は以下でご紹介しております。ぜひ、あわせてご覧ください。

 

次章では、このようにクラウドサービス・システムを導入し利用する企業が増えている背景を3つご紹介します。

クラウド導入が進んだ3つの背景

クラウド導入が進んだ3つの背景

①:通信技術の発展

ICTやIoTといった通信技術の発展により、これまでは取得が難しかったユーザー情報や利用状況などのデータを取得・分析できるようになりました。インターネットで集約されるこれらのデータは「ビッグデータ」と呼ばれ、膨大な情報量であるため従来の情報管理システムでは十分に取り扱えません。

 

そこで、ビックデータを高度な分析機能によって活用可能とするクラウドサービスの利用が増えています。実際に、データをクラウド上で一元管理することで、マーケティングや商品開発などに応用される機会が増えています

②:使い勝手の良さ

クラウドサービスは大規模な設備投資を必要とせず、スムーズに導入できます
また、複数人が同時に1つのサービスを利用し、共有しながら業務を行えるため、日常業務の効率化が可能です。さらに、オンプレミスでは自社でサーバーの運用や保守を行わなくてはなりませんが、クラウドならそうした作業をクラウドサービス提供事業者が行うため、手間がかかりません。

③:働き方の多様化

インターネット環境が整っている場所であれば、いつでもアクセスできるクラウドサービスは、リモートワークや在宅勤務など、多様化する働き方と親和性の高いサービスです。実際に、2020年以降の新型コロナウイルスの感染拡大により、リモートワークのような場所に依存しない働き方が一般化したため、クラウドサービスの導入が大きく進みました。

 

以降では、導入が進むクラウドサービス・システムの中でも、特に導入が進んでいるIaaS、PaaSと呼ばれるサービスについてご紹介します。

 

このように、データ活用や多様な働き方への対応が求められている一方、システム導入から長い時間が経過した「レガシーシステム」を使い続けているために、変化に対応できていない企業も少なくありません。以下記事では、レガシーシステムにより生じる5つの問題と脱却する方法について解説しております。レガシーシステムを使い続けている方や脱却したいとお考えの方はぜひご覧ください。

 

以降では、導入が進むクラウドサービス・システムの中でも、特に導入が進んでいるIaaS、PaaSと呼ばれるサービスについてご紹介します。

IaaS、PaaSのメリット・デメリット

近年では目的に応じて事業所のアプリケーションやソフトウェアをクラウド上で利用するSaaSだけではなく、クラウド上のインフラやプラットフォームを利用し、アプリケーションの開発を自社で行うIaaS/ PaaSの利用が増えてきています。   IaaSとPaaS それぞれの主なメリット・デメリットは以下の通りです。

 

IaaS、PaaSのメリット・デメリット

 

違いとして、IaaSとPaaSでは、クラウド上での管理範囲が異なり、IaaSの方がクラウドベンダーの 管理範囲は小さくなります。また、それぞれのデメリットではIaaSはPaaSと比べてより専門的な知識が必要になること、PaaSはストレージやCPU・ミドルウェアを自由に選択できないことが挙げられます。

 

ご紹介したようなメリット・デメリットがありますが、次章では、実際にクラウド導入後によくある課題についてご紹介します。

クラウド導入後によくある課題

クラウド導入後によくある課題

 

クラウドサービス・システムの導入が進むにつれて、導入後の課題も増えてきています。 以降では、実際にクラウド導入後に企業が抱えやすい課題や悩みをご紹介します。

カスタマイズ性が低い

クラウドサービスを導入したものの、カスタマイズ性が低いため、従来のシステムに合わせた運用を行うことが難しいことがあります。また、運用時にシステムの改善要望があがってくる場合がありますが、SaaSでは自由度が低いため対応できなかったり、IaaSやPaaSでは対応するとしても高度な専門知識が必要となったりする課題があります。

想定以上のコストがかかってしまっている

クラウド導入の大きなメリットとして、イニシャルコストがかからないといったコスト削減が挙げられますが、実際には期待したような効果が出ず、逆に想定外のコストがかかってしまう場合も多くあります。 たとえば、クラウド導入後に既存のシステムと連携するために、既存のシステムの改修コストが必要であったり、クラウド利用に伴う通信費用が想像以上にかかったりする場合があります。

サーバーやネットワーク機器増加に伴う運用負担が大きい

クラウドでは、物理的なサーバーやネットワークの運用・保守を行う必要はないものの、導入を進めていくことで、利用するサーバーやネットワーク機器の量は増えていくため、その管理や運用の負担は大きくなります。またクラウドは、各事業部門が情報システム部門を介さず、自らの判断でサーバー立てをすることも可能であるため、サーバーが乱立してしまい、運用管理が困難な状態に陥ってしまう可能性もあります

システムの可用性がクラウドベンダーに依存する

可用性とは、システムの利用可能な状態が継続する能力のことです。 従来は自社でサーバー管理や障害時の対応を行うため、可用性(稼働率の水準)は自社の運用に依存していました。しかし、クラウドの場合は可用性がクラウド ベンダーに依存することになり、サービスによっては高頻度で障害が発生するケースがあります。また、障害発生時には状況の把握が困難であるためクラウドベンダーの対応にサービスが依存してしまいます。

 

このように、クラウド導入後に悩まないためには、クラウド移行の手順(事前準備)を把握して導入することが重要です。以下記事では、クラウド移行のメリット・デメリット・具体的な移行手順・事例などを網羅的に解説しております。クラウド移行をご検討している方はぜひご覧ください。

 

クラウド導入後の課題解決策とは

上記でご紹介したような課題が発生する原因として、目先のコストばかりにとらわれてクラウドサービスを導入してしまったケースがよくあります。そこで以下では、課題を解決する方法をご紹介します。

 

「カスタマイズ性が低い」「想定以上のコストがかかってしまっている」という課題に対しては、ニーズやサービスを慎重にすり合わせ、業務システムごとにきめ細かく移行方式を検討する必要があります。部分的にオンプレミスを併用するハイブリット型の運用も効果的です。

 

「サーバーやネットワーク機器増加に伴う運用負担が大きい」「システムの可用性がクラウドベンダーに依存する」という課題に対しては、クラウドで用意されているいくつものサービスの中から、適切なサービスを選択することが重要です。また、自社の要件、セキュリティポリシーに合うクラウドサービスにアウトソーシングし保守・運用の自動化を検討すべきです。

 

このほか、改めて自社のシステムやサービスに合わせて慎重にクラウドを選定し、現状のクラウド環境から乗り換えを検討する方法もあります。しかし、クラウドの乗り換え時にもさまざまな課題があり、乗り換えに苦戦する企業も少なくありません。

 

以下資料では、このようなクラウド乗り換えに関する課題やクラウドの乗り換えを行うための打開策をご紹介しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

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このコラムを書いたライター

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